Michikusa道草

「ギャング」って?

個人的に昔から気になっていた業界用語「乙仲」に続いて、今回は「ギャング(gang)」について調べてみました。

ギャングといえばアメリカ。ギャング映画といえば?前のデスクで仕事中の映画好きに聞いてみました。レオナルド・ディカプリオの『ギャング・オブ・ニューヨーク』 デンゼル・ワシントンの『アメリカン・ギャングスター』 あれっ・・・『ゴッドファーザー』は? あれはギャングではなくマフィアだって、確かに。ということで「ギャング」という言葉からはどうしてもこわ~いイメージが。

 一般的に「ギャング(gang)」とは暴力的な犯罪集団のことですが、海運業界で「ギャング」とは、「船から貨物を積み卸す荷役作業の労働者チーム」のことを言います。在来船では船内荷役の労働者の単位で1ギャング4人~13人程度(船、貨物の種類によって人数は違います)、コンテナ船ではガントリークレーン単位で8人程度のようです。「この作業だったらワンギャンで1日、ツーギャンで半日かなあ」(ひとつの荷役グループでの作業なら1日、ふたつのグループでするなら半日)などのように使用されます。

では海運用語の「ギャング」とアメリカの「ギャング」、何か関係があるのだろうかという疑問がふつふつとわいてきたので調べていくと、以下のホームページを発見。

海運雑学ゼミナール/社団法人 日本船主協会
http://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_069.html

(船や港、海運に関する雑学がいっぱいです)

ホームページによると「gang」の語源はドイツ語やオランダ語で「行進」「行列」を意味する言葉だそうです。そして現在のオランダ語でgangは「通路」という意味。この言葉がイギリスに渡り、行進や行列をする港の労働者集団が「ギャング」になり、「通路」という意味からgangboard(ギャングボード)・gangway(ギャングウェイ)=船と陸または埠頭の間に渡された踏み板、渡船橋、舷門 という海運用語として使用されていることがわかりました。暴力集団の「ギャング」と海運用語の「ギャング」、語源は同じでも違う方向へ発展した言葉でした。
 

・・・それにしてもこの業界用語って難しい。

ひらい

2 Comments »

  1. なるほど!こういうルーツがあったのですね。
    ガントリークレーンの本数のことかと思ってました(恥)
    勉強になりました!

    Comment by Anton — 2008/6/27 金曜日 @ 18:26:18

  2. Antonさん、こちらこそいつも勉強させていただいてます。
    私自身は在来船荷役のほうが身近でしたので、コンテナ船の荷役単位についても「gang」と呼ばれていることをはじめて知りました。

    Comment by ひらい — 2008/6/30 月曜日 @ 9:11:48

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