米国から輸入される牛肉等の取扱いについて
平成21年10月10日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課長より表記の件について通知があった。以下の通りである。
(前略)今般、関係自治体において、国内に流通している当該施設から出荷された貨物のうち、衛生証明書に記載のない牛肉(ショートローイン(骨付き))が一箱混載されていることが確認されました。
現在、米国側に詳細な調査を要請しているところであり、別途通知するまでは、当該施設から出荷された貨物について輸入手続きを停止するようお願いします。
【ワンポイント解説】
外国から輸入される牛肉、豚肉、鶏肉等の未加工の肉、加工された肉すべてにおいて厚生省食品監視へ届出する他に農水省管轄の動物検疫所へ輸入申請をしなければなりません。申請すると現物確認の検査があり、そこで外国から輸出された際に発行された衛生証明書を照会し、現物が証明書通りに到着しているかの確認を行います。本件のように違う貨物が混載された場合は輸出国での審査が不十分となり、理由がはっきりするまで輸入出来ません。輸入禁止部位がある肉や未加工の肉は生産国によっては輸入禁止の国もありますので本件のように1箱といえども厳しい対処がとられています。
本件の当該施設の事や動物検疫について詳しい事が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所 林
タイ産マンゴーについて
平成21年10月1日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より通知がありました。以下の通りです。
食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令に係る別途指示等について今般、タイ政府から一部輸出業者についてマンゴーの検査命令免除輸出業者として登録する旨の通報があったことから別添1の2の別表11にこれを追加し、別紙のとおりとしますので、御了知の上、関係業者等への周知方よろしくお願いします。
【ワンポイント解説】
食品衛生法の検査は基本として輸出国の製造者ごとに対象となっている。製造者の製造方法や施設の安全性などを調査され、現地政府より今回のように食品衛生法に違反する恐れがないと確認された該当する製造者については検査が免除されることがある。メリットとしては日本に到着後の検査費用が不要になったり、検査結果が出るまで輸入許可待ちの時間が短縮されたりすることが考えられる。
尚、検査命令免除のリスト(上記の別添1の2の別表11がそれにあたる。)に挙げられている製造者が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所 林
放射線照射に係る輸入時検査の強化について
平成21年9月11日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長より表記の件について通知があった。以下の通りである。
今般、輸入時のモニタリング検査において当該製造者の中国産乾燥ねぎに放射線照射が行われて いることを検知したことから、放射線照射の有無に係る自主検査を実施するよう指導方よろしくお願いします。
【ワンポイント解説】
放射線照射は食品の殺菌に使用される手段として20世紀中頃から世界各国で研究が進められてきたそうです。一見、放射線照射した食品を食べるとヒトの体に害を与えそうなイメージがありますが、実はそうとは言えません。この放射線とは例えば、病院のX線検査と同様のものであるからです。
体に悪影響を及ぼす可能性はほとんどないとはいえ、すべての食品でそれを証明するまでには至っていないので認可がおりていないのが現状である。その為にわが国では今回のように乾燥野菜については未だに使用許可されていません。
それでも殺菌効果が高い為に諸外国で今回のように使用しているケースがモニタリング検査で検知されることがある。その為、今後該当した中国の製造者からの食品すべてに自主検査を行うようにしたということである。
ちなみにわが国では生鮮のじゃがいもに限り、発芽防止の為にその使用が認可されているそうです。
該当する中国製造者について知りたい方、質問のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所 林
中国産レイシ(ライチ)及びその加工品について
平成21年7月10日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り通知がありました。
(前略) 今般、モニタリング検査の結果、中国産冷凍ライチにおいて食品衛生法違反の事例があったことから、下記により検査等の実施方よろしくお願いします。
記
1 対象食品
中国産レイシ(ライチ)及びその加工品(簡易な加工に限る。)
2 検査項目及び検査頻度
(1)該当する製造者が包装又は輸出した1の食品が輸入届出された場合は、貨物を保留の上、輸入者に対し、4-クロルフェノキシ酢酸に係る自主検査を実施するように指導すること。
(2)1の食品について、残留農薬(4-クロルフェノキシ酢酸を含む)に係るモニタリング検査の頻度を30%に引き上げて対応すること。なお、自主検査について、登録検査機関において対応できない場合にあっては、対応可能となるまでの間、行政検査にて対応すること。
【ワンポイント解説】
モニタリング検査について以前説明したことがありますが、厚生省が直接検査を行うことであり、ここでは30%に引き上げるとされている。30%の確率となると当然ながら10件食品の届出があった場合3件を検査するということになる。命令検査はここでいう頻度では100%であることを考えると、この頻度については引き上げたにもかかわらず30%という数値は、決して多くはなく、この頻度で大丈夫なのか。と思われるかもしれないが、もっと掘り下げると残留農薬とはすべての農作物、魚及び肉(関係ないようだが餌、飼料に使用される作物に含まれている可能性がある為。)に検出される恐れがある。つまり、今回のように検出されると残留農薬の検査を行う品目が増え続けてゆくことは容易に想像出来るだろう。
検査の頻度は消費者からするとすべて100%検査してもらいたいし、厚生省も食の安全の為にはそれが理想であるはずだ。しかしながらそうしないのは検査の為に食品の流通に支障をきたしたり、安全な品目まで検査する事になると検査費用としての荷主の負担が増え、検査機関の人手が不足するなど様々なところに影響が出る。
輸入食品の検査頻度とは安全と貿易のちょうど良いバランスの上で成り立っているのである。
今回の該当する製造者について詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
文章作成者:門司営業所 林
タイ産レモングラスについて
平成21年7月2日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より通知がありました。以下の通りです。
-前略-今般、輸入時のモニタリング検査において、タイ産レモングラスから基準値を超えるEPNを検出したことから、下記の通り検査命令を行うこととしましたので、御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いします。
記
1.製品検査の対象食品 : タイ産レモングラス及びその加工品(簡易な加工に限る。)
2.検査の項目 : EPN
3.検査の頻度 : 輸入者に対し、輸入届出ごとの全ロットについて製品検査を受けることを命ずること。
-以下略-
【ワンポイント解説】
皆さん、レモングラスをご存知ですか。私は知りませんでした。調べてみるとイネ科の植物で(たしかに稲のような葉をして)レモンのような匂いがするハーブだそうです。用途としてはハーブティやそのままスープ(トムヤムクン)に使ったりとの事。近年、日本の食文化の多様化に伴い東南アジア料理の食材として輸入されているようです。そのレモングラスからEPNが検出された事によって命令検査になるという旨の通知です。EPNとは毒物の一種で、今回の場合は現地にて消毒される際の農薬に含有されているものが残留していたと考えられる。(文章だけ読むと消毒する農薬に毒が含まれているとなるがもちろん、そういう意味ではない。)
ちなみにEPNは物質名の略であるが、正式には『エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト』という長い名前が付いている。
タウリンについて
食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして平成21年6月23日付けで厚生労働大臣が定める物質の一部を改正する件が公布された。
第1 改正の概要
食品衛生法(昭和22年法律233号)第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質に、タウリンを追加したこと。
-以下略-
【ワンポイント解説】
タウリンと言えば医薬部外品のドリンク剤に使用されている成分を思い浮かべるが、それ以外は特に思い起こすことはない。ただ、体に良い成分であるイメージは持っているだろう。だから今更な感じはする。このように定められた物資は検査の簡易化や省略に活かされている。
ちなみにタウリンとはラテン語で雄牛を意味する『taurus(タウラス)』に由来するそうです。いかにも元気になりそうな名前だ。
韓国産パプリカについて
平成21年6月8日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り、通知がありました。
食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令に係る別途指示についてお知らせしているところですが、今般、韓国政府からパプリカに係る登録業者の住所変更について連絡があったことから、検査命令免除業者リストを別紙(リスト)のとおり改正するので御了知の上、関係業者等への周知方よろしくお願いします。
= 検査項目・フロニカミド、エトプロホス及びクロルピリホス =
【ワンポイント解説】
前回、サイクラミン酸検査についてのところで触れましたが、命令検査となり強化される一方で、ここにでてくる『検査命令免除業者』というように特別に検査を受けなくて済む場合があります。つまり、韓国の生産者が食品の適切な管理を行っており、過去に違反事例がないなど安全が証明出来る場合などに輸出入国間で取り決められる。
すべて検査すればそれで済むかもしれないが、食の安全を考えた場合、品質管理を促す方法としてはより効果的である。なぜなら日本に着いて検査が免除になれば引取りが早くなり、検査にかかる費用も無くなるというメリットは生鮮食品にとって非常に大きいからだ。検査免除を受ける為に生産者たちが食の安全について考え、実行していくにはもってこいの制度である。
6月8日現在、韓国産パプリカ検査命令免除業者は24社認められている。業者名を知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者 門司営業所 林
中国産食品のサイクラミン酸に係る検査命令について
平成21年6月3日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り通知がありました。
( 前略) 今般、輸入者の自主検査においてサイクラミン酸が検出されたことから、同別表に下記の製造者を追加し、別紙のとおりとするので御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いします。
【ワンポイント解説】
サイクラミン酸の検査は中国産輸入食品には欠かすことの出来ない、もっとも重要な検査と言っても過言ではありません。サイクラミン酸は人工甘味料で食品添加物に使用される代表的なものです。ただ、日本では1969年に発がん性があることが確認されて国内で使用禁止になっています。しかしながら、安い食品添加物である為、中国を始め世界50ヶ国以上の国で今現在も使用されています。
よって中国産の加工食品については使用されている恐れがある為にすべて検査が行われています。今回のように検出された中国側製造者は命令検査となり、検査が強化されます。
命令検査に該当する製造者が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。現在150以上の製造者がリストアップされています。(中国では使用禁止ではないので該当製造者が多いことが考えられる。)
文章作成者:門司営業所 林
メキシコ産アボガド及びその加工品について
平成21年6月1日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課よりメキシコ産アボガド及びその加工品について通知がありました。以下の通りです。
今般、モニタリング検査の結果、メキシコ産生産アボガドにおいて食品衛生法違反の事例があったことから、下記により検査等の実施方よろしくお願いします。
記
1.対象食品 メキシコ産アボガド及びその加工品(簡易な加工に限る)
2.検査項目及び検査頻度
(1)事例に該当した製造者又は輸出者が1.の輸入届出をされた場合は、貨物を保留の上、輸入者に対し、アセフェートに係る自主検査を実施するよう指導すること。
(2)1.の食品について残留農薬(アセフェートを含む)に係るモニタリングの検査頻度を30%に引き上げて対応すること。
【ワンポイント解説】
ここでいう自主検査とは輸入者が自主的に検査を行い、自分が輸入した食品が検査結果に基づき、安全であることの証明をして許可をもらうことである。ただ、自主的とは言っても検査しなければ許可にならない為、事実上義務的と言えないこともない。あくまで食品届出を行う者が意識的に食の安全の為に検査を行うという意味合いから“自主”検査と定義されている。
モニタリング検査とは食品監視官が自ら行う検査のことである。自主検査と命令検査は原則として厚生労働省指定検査機関に依頼し、行う検査である。これはすべての食品の検査を食品検査官が行う事が事実上困難な為の措置である。とはいってもすべてを任せきりというわけにはいかないので、モニタリング検査を決められた頻度により行う。ここでいう 『30%に引き上げる』とは100件の同様の貨物に対して30件はモニタリング検査を行うという事である。頻度は全ての食品に定められており、違反事例が発覚したり、増加した場合は上がり、逆に一定期間安全な状態が続くと引き下げられる。
上記事例対象製造者についてお聞きしたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所 林
韓国産二枚貝の取扱いについて
平成21年5月26日付けで医薬食品安全部監視安全課より韓国産二枚貝の取扱いについて通知がありました。以下の通りです。
先般、韓国政府より一部海域の二枚貝より麻痺性貝毒が基準を超えて検出されたため、同海域で生産される貝類について韓国産二枚貝原産地証明書の発給を中断するとの連絡がありました。万一、発給中断日以降に同海域の記載された証明書が添付された輸入届出がなされた場合は輸入手続きを保留する。
【ワンポイント解説】
ここで言う二枚貝とはあさりやしじみなどを指します。いままで原産地証明書があれば日本で検査を免除されていた(韓国で安全性の確認が取れていた為)が、上記に該当する海域で採取された二枚貝は日本で検査を受けて合格した場合に限り輸入許可となります。“保留”とは検査を受けて合格が出るまでの間の事を指します。
“一部海域”について詳しい地域名を知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所/林
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