タウリンについて
食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして平成21年6月23日付けで厚生労働大臣が定める物質の一部を改正する件が公布された。
第1 改正の概要
食品衛生法(昭和22年法律233号)第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質に、タウリンを追加したこと。
-以下略-
【ワンポイント解説】
タウリンと言えば医薬部外品のドリンク剤に使用されている成分を思い浮かべるが、それ以外は特に思い起こすことはない。ただ、体に良い成分であるイメージは持っているだろう。だから今更な感じはする。このように定められた物資は検査の簡易化や省略に活かされている。
ちなみにタウリンとはラテン語で雄牛を意味する『taurus(タウラス)』に由来するそうです。いかにも元気になりそうな名前だ。
韓国産パプリカについて
平成21年6月8日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り、通知がありました。
食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令に係る別途指示についてお知らせしているところですが、今般、韓国政府からパプリカに係る登録業者の住所変更について連絡があったことから、検査命令免除業者リストを別紙(リスト)のとおり改正するので御了知の上、関係業者等への周知方よろしくお願いします。
= 検査項目・フロニカミド、エトプロホス及びクロルピリホス =
【ワンポイント解説】
前回、サイクラミン酸検査についてのところで触れましたが、命令検査となり強化される一方で、ここにでてくる『検査命令免除業者』というように特別に検査を受けなくて済む場合があります。つまり、韓国の生産者が食品の適切な管理を行っており、過去に違反事例がないなど安全が証明出来る場合などに輸出入国間で取り決められる。
すべて検査すればそれで済むかもしれないが、食の安全を考えた場合、品質管理を促す方法としてはより効果的である。なぜなら日本に着いて検査が免除になれば引取りが早くなり、検査にかかる費用も無くなるというメリットは生鮮食品にとって非常に大きいからだ。検査免除を受ける為に生産者たちが食の安全について考え、実行していくにはもってこいの制度である。
6月8日現在、韓国産パプリカ検査命令免除業者は24社認められている。業者名を知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者 門司営業所 林
中国産食品のサイクラミン酸に係る検査命令について
平成21年6月3日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り通知がありました。
( 前略) 今般、輸入者の自主検査においてサイクラミン酸が検出されたことから、同別表に下記の製造者を追加し、別紙のとおりとするので御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いします。
【ワンポイント解説】
サイクラミン酸の検査は中国産輸入食品には欠かすことの出来ない、もっとも重要な検査と言っても過言ではありません。サイクラミン酸は人工甘味料で食品添加物に使用される代表的なものです。ただ、日本では1969年に発がん性があることが確認されて国内で使用禁止になっています。しかしながら、安い食品添加物である為、中国を始め世界50ヶ国以上の国で今現在も使用されています。
よって中国産の加工食品については使用されている恐れがある為にすべて検査が行われています。今回のように検出された中国側製造者は命令検査となり、検査が強化されます。
命令検査に該当する製造者が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。現在150以上の製造者がリストアップされています。(中国では使用禁止ではないので該当製造者が多いことが考えられる。)
文章作成者:門司営業所 林
メキシコ産アボガド及びその加工品について
平成21年6月1日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課よりメキシコ産アボガド及びその加工品について通知がありました。以下の通りです。
今般、モニタリング検査の結果、メキシコ産生産アボガドにおいて食品衛生法違反の事例があったことから、下記により検査等の実施方よろしくお願いします。
記
1.対象食品 メキシコ産アボガド及びその加工品(簡易な加工に限る)
2.検査項目及び検査頻度
(1)事例に該当した製造者又は輸出者が1.の輸入届出をされた場合は、貨物を保留の上、輸入者に対し、アセフェートに係る自主検査を実施するよう指導すること。
(2)1.の食品について残留農薬(アセフェートを含む)に係るモニタリングの検査頻度を30%に引き上げて対応すること。
【ワンポイント解説】
ここでいう自主検査とは輸入者が自主的に検査を行い、自分が輸入した食品が検査結果に基づき、安全であることの証明をして許可をもらうことである。ただ、自主的とは言っても検査しなければ許可にならない為、事実上義務的と言えないこともない。あくまで食品届出を行う者が意識的に食の安全の為に検査を行うという意味合いから“自主”検査と定義されている。
モニタリング検査とは食品監視官が自ら行う検査のことである。自主検査と命令検査は原則として厚生労働省指定検査機関に依頼し、行う検査である。これはすべての食品の検査を食品検査官が行う事が事実上困難な為の措置である。とはいってもすべてを任せきりというわけにはいかないので、モニタリング検査を決められた頻度により行う。ここでいう 『30%に引き上げる』とは100件の同様の貨物に対して30件はモニタリング検査を行うという事である。頻度は全ての食品に定められており、違反事例が発覚したり、増加した場合は上がり、逆に一定期間安全な状態が続くと引き下げられる。
上記事例対象製造者についてお聞きしたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
文章作成者:門司営業所 林
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