新着情報

米国から輸入される牛肉等の取扱いについて(2)

平成22年1月20日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課長より通知があった。以下の通りである。

標記については(中略)平成21年10月10日付け食安監発第1010第1号により、下記施設から出荷された貨物について輸入手続きを保留するよう通知したところです。

 今般、本事例に関して、米国農務省から提出された原因究明及び改善措置に係る調査報告書並びに現地調査結果を踏まえ、下記出荷施設から出荷された牛肉等の輸入手続きを再開することとしましたので、検疫所における現場検査の結果等に問題がない場合には、輸入届出済証を交付するようお願いします。(以下略)

 【ワンポイント解説】

同件は昨年ここに該当している出荷施設の牛肉を調査する為に輸入を保留されていた貨物を輸入許可する旨の連絡です。(詳細は新着情報10月をご覧下さい。)米国産牛肉は輸入再開されていますが、処理施設や出荷施設ごとにも問題がないか詳しくチェックされています。これだけでもいかに日本が食の安全に対して厳重であるか、うかがい知れます。

文章作成者:門司営業所 林

【動物検疫所】マカオ向け牛肉の輸出のための認定施設について

平成21年10月30日付けで農林水産省消費・安全局動物衛生課、国際衛生対策室検疫企画班長より表題の件について通達があった。以下の通りである。

(前略)厚生労働省より、マカオ向けに牛肉を輸出する施設として、本年10月26日付けで、別添の施設が認定されたとの連絡がありましたのでお知らせします。これらの施設で10月26日以降にと畜された牛肉についてマカオ向けの輸出が認められることとなりますので了知願います。

【ワンポイント解説】

前回と一部重複する内容ですが、牛肉などの畜産物についての輸出入について農林水産省管轄の動物検疫所へ申請が義務付けられています。すべての輸入食品については厚生労働省管轄の食品検疫所へ届出が義務付けられています。そして輸出入貨物について財務省管轄の税関への申告が義務付けられています。それ以外にも特定貨物については経済産業省、環境省等に届出したり、許可をもらわなければならないものもあります。

 話がそれましたが、今回の件は牛肉の輸出の為には輸入先の国の法律もしくは規定に基づき、日本だけではなく相手国の承認がなければ輸出出来ません。よって、同じ牛肉だからといって別の国も大丈夫とは限りません。

 牛肉に限らず、貿易貨物にはいろいろな法律が付きものです。ご相談いただければ、お調べします。

 日本の和牛が外国でブランド化して富裕層に対し、需要がある話を聞いたことがあります。日本に居ながら和牛を食べれない(高値なので・・・)私としましては外国で和牛を食べれる人達はなんとも贅沢で羨ましい話です。

文章作成者:門司営業所 林

米国から輸入される牛肉等の取扱いについて

平成21年10月10日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課長より表記の件について通知があった。以下の通りである。

 (前略)今般、関係自治体において、国内に流通している当該施設から出荷された貨物のうち、衛生証明書に記載のない牛肉(ショートローイン(骨付き))が一箱混載されていることが確認されました。

 現在、米国側に詳細な調査を要請しているところであり、別途通知するまでは、当該施設から出荷された貨物について輸入手続きを停止するようお願いします。

【ワンポイント解説】

外国から輸入される牛肉、豚肉、鶏肉等の未加工の肉、加工された肉すべてにおいて厚生省食品監視へ届出する他に農水省管轄の動物検疫所へ輸入申請をしなければなりません。申請すると現物確認の検査があり、そこで外国から輸出された際に発行された衛生証明書を照会し、現物が証明書通りに到着しているかの確認を行います。本件のように違う貨物が混載された場合は輸出国での審査が不十分となり、理由がはっきりするまで輸入出来ません。輸入禁止部位がある肉や未加工の肉は生産国によっては輸入禁止の国もありますので本件のように1箱といえども厳しい対処がとられています。

本件の当該施設の事や動物検疫について詳しい事が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。

文章作成者:門司営業所 林                

タイ産マンゴーについて

平成21年10月1日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より通知がありました。以下の通りです。

食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令に係る別途指示等について今般、タイ政府から一部輸出業者についてマンゴーの検査命令免除輸出業者として登録する旨の通報があったことから別添1の2の別表11にこれを追加し、別紙のとおりとしますので、御了知の上、関係業者等への周知方よろしくお願いします。

【ワンポイント解説】

食品衛生法の検査は基本として輸出国の製造者ごとに対象となっている。製造者の製造方法や施設の安全性などを調査され、現地政府より今回のように食品衛生法に違反する恐れがないと確認された該当する製造者については検査が免除されることがある。メリットとしては日本に到着後の検査費用が不要になったり、検査結果が出るまで輸入許可待ちの時間が短縮されたりすることが考えられる。

尚、検査命令免除のリスト(上記の別添1の2の別表11がそれにあたる。)に挙げられている製造者が知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。

文章作成者:門司営業所 林

放射線照射に係る輸入時検査の強化について

平成21年9月11日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長より表記の件について通知があった。以下の通りである。

 今般、輸入時のモニタリング検査において当該製造者の中国産乾燥ねぎに放射線照射が行われて いることを検知したことから、放射線照射の有無に係る自主検査を実施するよう指導方よろしくお願いします。

【ワンポイント解説】

放射線照射は食品の殺菌に使用される手段として20世紀中頃から世界各国で研究が進められてきたそうです。一見、放射線照射した食品を食べるとヒトの体に害を与えそうなイメージがありますが、実はそうとは言えません。この放射線とは例えば、病院のX線検査と同様のものであるからです。

  体に悪影響を及ぼす可能性はほとんどないとはいえ、すべての食品でそれを証明するまでには至っていないので認可がおりていないのが現状である。その為にわが国では今回のように乾燥野菜については未だに使用許可されていません。 

それでも殺菌効果が高い為に諸外国で今回のように使用しているケースがモニタリング検査で検知されることがある。その為、今後該当した中国の製造者からの食品すべてに自主検査を行うようにしたということである。

ちなみにわが国では生鮮のじゃがいもに限り、発芽防止の為にその使用が認可されているそうです。

該当する中国製造者について知りたい方、質問のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

文章作成者:門司営業所 林

一部YAS、FAF及びTHC変更のお知らせ

◆現代商船ジャパン㈱(HYUNDAI SHIPPING)が2009年8月1日より日           本から韓国向けのTHC変更になります。

ドライコンテナ    ¥24,000/20`FT  ¥42,200/40`FT 

リーファーコンテナ  ¥37,200/20`FT  ¥54,800/40`FT

◆商船三井ロジスティクス㈱より2009年8月分のFAF・YASを以下の通り提示されました。

YAS  USD60.00/20`FT      USD90.00/40`FT

FAF  USD85.00/20`FT      USD170.00/40`FT

*8月1日~8月31日迄の適用となります。

【ワンポイント解説】                                                                       THC(ターミナルハンドリングチャージ)とは一般にコンテナを船からCY(コンテナヤード)内へ降ろす作業からコンテナをCYから搬出するコンテナドレーシャーシに積載する(オンシャーシ)作業までの料金を言います。CHC(コンテナハンドリングチャージ)と呼ばれる場合もある。

YAS(Yen Appreciation Surcharge)は通貨調整金の事で、アジア航路でドルから円へ換算した際の差額をこれで補い、海上運賃に充てられる。

FAF(Fuel Adjustment Factor)は燃料価格に応じて海上運賃に加算される、燃油割り増し料金の事。

他にも貿易に関する用語はありますので分からない用語や言葉は分かっても内容の意味が分からない場合などありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

文章作成者:門司営業所 林           

中国産レイシ(ライチ)及びその加工品について

平成21年7月10日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り通知がありました。

(前略) 今般、モニタリング検査の結果、中国産冷凍ライチにおいて食品衛生法違反の事例があったことから、下記により検査等の実施方よろしくお願いします。

                    記

1 対象食品

  中国産レイシ(ライチ)及びその加工品(簡易な加工に限る。)

 2 検査項目及び検査頻度

(1)該当する製造者が包装又は輸出した1の食品が輸入届出された場合は、貨物を保留の上、輸入者に対し、4-クロルフェノキシ酢酸に係る自主検査を実施するように指導すること。

(2)1の食品について、残留農薬(4-クロルフェノキシ酢酸を含む)に係るモニタリング検査の頻度を30%に引き上げて対応すること。なお、自主検査について、登録検査機関において対応できない場合にあっては、対応可能となるまでの間、行政検査にて対応すること。

【ワンポイント解説】

モニタリング検査について以前説明したことがありますが、厚生省が直接検査を行うことであり、ここでは30%に引き上げるとされている。30%の確率となると当然ながら10件食品の届出があった場合3件を検査するということになる。命令検査はここでいう頻度では100%であることを考えると、この頻度については引き上げたにもかかわらず30%という数値は、決して多くはなく、この頻度で大丈夫なのか。と思われるかもしれないが、もっと掘り下げると残留農薬とはすべての農作物、魚及び肉(関係ないようだが餌、飼料に使用される作物に含まれている可能性がある為。)に検出される恐れがある。つまり、今回のように検出されると残留農薬の検査を行う品目が増え続けてゆくことは容易に想像出来るだろう。

検査の頻度は消費者からするとすべて100%検査してもらいたいし、厚生省も食の安全の為にはそれが理想であるはずだ。しかしながらそうしないのは検査の為に食品の流通に支障をきたしたり、安全な品目まで検査する事になると検査費用としての荷主の負担が増え、検査機関の人手が不足するなど様々なところに影響が出る。

輸入食品の検査頻度とは安全と貿易のちょうど良いバランスの上で成り立っているのである。

今回の該当する製造者について詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。

文章作成者:門司営業所 林

タイ産レモングラスについて

平成21年7月2日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より通知がありました。以下の通りです。

-前略-今般、輸入時のモニタリング検査において、タイ産レモングラスから基準値を超えるEPNを検出したことから、下記の通り検査命令を行うこととしましたので、御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いします。

                記

1.製品検査の対象食品 : タイ産レモングラス及びその加工品(簡易な加工に限る。)

2.検査の項目 : EPN

3.検査の頻度 : 輸入者に対し、輸入届出ごとの全ロットについて製品検査を受けることを命ずること。

-以下略-

 【ワンポイント解説】

皆さん、レモングラスをご存知ですか。私は知りませんでした。調べてみるとイネ科の植物で(たしかに稲のような葉をして)レモンのような匂いがするハーブだそうです。用途としてはハーブティやそのままスープ(トムヤムクン)に使ったりとの事。近年、日本の食文化の多様化に伴い東南アジア料理の食材として輸入されているようです。そのレモングラスからEPNが検出された事によって命令検査になるという旨の通知です。EPNとは毒物の一種で、今回の場合は現地にて消毒される際の農薬に含有されているものが残留していたと考えられる。(文章だけ読むと消毒する農薬に毒が含まれているとなるがもちろん、そういう意味ではない。)

ちなみにEPNは物質名の略であるが、正式には『エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト』という長い名前が付いている。

タウリンについて

食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして平成21年6月23日付けで厚生労働大臣が定める物質の一部を改正する件が公布された。

第1 改正の概要

食品衛生法(昭和22年法律233号)第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質に、タウリンを追加したこと。

-以下略-

 【ワンポイント解説】

タウリンと言えば医薬部外品のドリンク剤に使用されている成分を思い浮かべるが、それ以外は特に思い起こすことはない。ただ、体に良い成分であるイメージは持っているだろう。だから今更な感じはする。このように定められた物資は検査の簡易化や省略に活かされている。

ちなみにタウリンとはラテン語で雄牛を意味する『taurus(タウラス)』に由来するそうです。いかにも元気になりそうな名前だ。

韓国産パプリカについて

 平成21年6月8日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り、通知がありました。

 食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令に係る別途指示についてお知らせしているところですが、今般、韓国政府からパプリカに係る登録業者の住所変更について連絡があったことから、検査命令免除業者リストを別紙(リスト)のとおり改正するので御了知の上、関係業者等への周知方よろしくお願いします。

= 検査項目・フロニカミド、エトプロホス及びクロルピリホス =

 【ワンポイント解説】

 前回、サイクラミン酸検査についてのところで触れましたが、命令検査となり強化される一方で、ここにでてくる『検査命令免除業者』というように特別に検査を受けなくて済む場合があります。つまり、韓国の生産者が食品の適切な管理を行っており、過去に違反事例がないなど安全が証明出来る場合などに輸出入国間で取り決められる。

 すべて検査すればそれで済むかもしれないが、食の安全を考えた場合、品質管理を促す方法としてはより効果的である。なぜなら日本に着いて検査が免除になれば引取りが早くなり、検査にかかる費用も無くなるというメリットは生鮮食品にとって非常に大きいからだ。検査免除を受ける為に生産者たちが食の安全について考え、実行していくにはもってこいの制度である。

 6月8日現在、韓国産パプリカ検査命令免除業者は24社認められている。業者名を知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。

文章作成者 門司営業所 林